思わずこんな本を買って読む。
野村監督の本は、若い頃から結構読んでいて、いちいち納得していたものである。
今改めて検索すると類書が数十冊あって、何を読んだか、もはやわからない。
小生はそこまで野球に詳しくないのだが、野村監督の本は、なんとなく知っているエピソードがバンバン出てくるので「へー」となるし、おっしゃることがいちいちごもっともで勉強になり、その実績と相まって物凄い説得力なのである。
最近の若い世代だと野球好きに限るが、一定以上の年齢の男子ならば、「野村監督の本にこう書いてあってだな…」と言えば、それだけでとりあえずは聞いてもらえるという良さもある。
以前に野村監督の本を沢山読んだ時は、初めて部下を持ったタイミングで、マネジメントの真似事をしようと色々探っていた時期。
あまり記憶に残っていないのだが、確かに糧にはなったと思う。
いま改めて中間管理職として、人のお世話をする立場になり、新作(遺作)を読んでみると、これまた身にしみる。
監督は実際のプレーをすることはなく、選手の起用しか出来ないのだから、信じて任せるしかない、といった文章を目にすると、本当にそうなんだよなぁと(いろんな意味で)ため息がでる。
昔読んだなぁと思い出すエピソードで、選手への接し方の三段階というのもあった。
最初は無視、そして賞賛、さらに期待する選手に非難。
無視というのはちょっと意地の悪い表現だが、本当に無視しているわけではなくて、「観察」というのが正しいと感じた。
とにかくよく観察し、長所と短所、直すべきところとそのままにしておくところ、性格や考え方をしっかり把握し、ここぞという場面で褒める。
褒めるだけでは満足してしまい、そこで成長が止まってしまうので、さらなる高みを目指させるためにあえて非難して努力を促す。
そんなエピソードや考え方が多数記載されている。
通底しているのは選手に対する愛情。
一人の人間として、野球界の先輩として、監督として、どうにか育ってほしいと願い、苦心・努力してきた跡がしっかりと文章に刻まれている。
しばらくまたハマってしまいそうだなぁ。
まぁ、ご参考ということで。