まずはリンク。
ランチェスター戦略の本を読んだのは、もう10年くらい前で、なんとなく記憶が怪しくなってきたので復習の意味で購入。
以前は誰の何という本を読んだのかも定かではないのだが、ひょっとしたら本書の福永氏の著作だったのかもしれない、というくらい、ランチェスター戦略の研究家としては有名な著者のようだ。
ランチェスター戦略というのは、ものすごく雑に表現すると「一点突破を極める」みたいな感じなのだが、局面局面で多少使い分けがあり、また弱者が使う方法と強者が使う方法とでは少しやり方が異なる。
弱者強者も、立場立場、局面局面で異なるが、両者を分かつ概念としては「シェア」を用いていて、シェアについては結構厳密な定義、概念があるらしい。
そのあたりを本書では懇切丁寧に解説し、具体的な営業戦略に落とし込むところまで、想定事例を噛み砕きながら説明する。
各章ごとに「まとめ」を置いてあるのもわかりやすい。
ビジネスをある種スポーツのように捉え、「如何に勝つか」というところを徹底研究しているスタンスが、読んでいて好感を持ってしまう。
「そうだよね、ビジネスは勝負だよね」みたいなことを思い出させてくれるのだ。
とはいえ一方で、「誰と戦っているのか?」「敵は誰なのか?」という問いに対する答えは、簡単なようで結構難しい。
産業分類で同じカテゴリーだから、というのは大きな問題ではない。
顧客から見たときに、比較対象にされているものは全て競合となりうるので、徹底した顧客目線と、商品/サービスの利用シーンへの理解(リアリティ)がなければ、正しい意味での競合の定義はできないし、その上で誰と戦うのかを考えなければ、ランチェスター戦略も無用となってしまう。
裏を返せば、敵の定義さえできてしまえば、本書で提唱しているランチェスター戦略は、極めて有用なのではないかと感じた。
久しぶりに読んでみて、「水は高いところから低いところに流れる」くらい、原理原則、普遍の真理かもしれないと。
だからこそ、誰と戦うかを間違えないようにする、その前提をきっちり見極めることが重要であり、実践の場面ではポイントになるような印象を持った。
まぁ、ご参考ということで。