こんな本を読む。
小学三年生の娘と会話をしていて俳句の話になったのだが、はて、有名な芭蕉の俳句が思い出せない(苦笑)。
これはイカンということで本でも読もうかと探していたところ、レビューが非常に高い本書に行きあたる。
これはなかなかの良書であった。
奥の細道のハイライト部分のみの描写にはなるが、漫画でしか描けない表現に挑戦し、見事にそれを成し遂げ、俳句に造詣のある著者ならではのディテールが示されている。
なんせ知らないことだらけであったが、それゆえに大いに興味を掻き立てられ、学びにもなった。
さて、今の生活の中で、我々は句を詠むような心を持ち得ているだろうか。
本を読んだらやってみたくなるのが人情。
なんでもいいからこっそり捻り出そうとしてみると、まずもって世を見る目を変えざるを得ない。
なんとなく桜が咲いているのを目にするだけでなく、積極的に季節の移ろいを探しに行かねばならない。
個人的に五感を呼び覚まされる句が好きなので、そんなのを考えようとすると、視覚、嗅覚、触覚などのアンテナ感度も上がっていく。
そう思うと、やっぱりこういう世界も訓練なんだなと実感する。
ほんとは学校教育含め、子供に教えなければならないのはこんな感性の訓練なのかもしれない。
いやいや、親自ら学ばねばなるまいな。
まぁ、ご参考ということで。