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「俺のイタリアン、俺のフレンチ」 読了 〜仕組みで勝って、人で圧勝する〜

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俺のイタリアン、俺のフレンチ―ぶっちぎりで勝つ競争優位性のつくり方

俺のイタリアン、俺のフレンチ―ぶっちぎりで勝つ競争優位性のつくり方

  • 作者:坂本 孝
  • 発売日: 2013/04/03
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

 
シリコンバレーの新興企業の本が続いたので、目先を変えて日本企業を、ということで手に取る。
こちらもちょいと古い本なのだが、引き続き元気な会社ではある。
 
「俺の」シリーズ、ブックオフ創業者である坂本氏による回顧録的な経営論である。
高級料理に回転数を持ち込んだというのが最大のポイントだが、ブックオフも従来の古書店とは全く違う値決めをして勝ち上がったので、業界の非常識を持ち込むのが坂本氏の勝ちパターンだったのだなと思う。
 
それでいて凄いのは、ビジネスモデル自体は一度種明かしされれば一気に模倣可能になるのに、競合の脅威にさらされなかったこと。
「俺の」の場合は、優秀な料理人をあらかた抑えてしまったことが大きいだろう。
 
ブックオフについては、フランチャイジーをあらかた抑えたことが勝因かもしれない。
関係者の物心両面の充実を図るという「稲盛イズム」が、戦略的に有効だったのかもしれないなと感じる。
 
「仕組みで勝って、人で圧勝する」というのは坂本氏のポリシーなのだが、「人で圧勝する」というところの理解度が、読む人によって違うような気がする。
やはりそこは優秀な人間をちゃんと採用し、モチベーション高く仕事をしてもらい、ちゃんと報いる、ということに対して、どこまで真剣に取り組むかどうかが鍵で、これを本気でやり切る気概があるかが、人によって違うんじゃないかなぁ。
 
戦略としてはサイゼリヤの本は面白かったけれど、「俺の」の浪花節も共感するところがあり、またお店に伺いたくなった次第。
まぁ、ご参考ということで。