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優れたリーダーは、なぜ「立ち止まる」のか――自分と周囲の潜在能力を引き出す法則
- 作者: ケヴィン・キャッシュマン,樋口武志
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2014/08/23
- メディア: 単行本
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リーダーシップ系の読書は昨日に立て続く。
著者のことはよく存じ上げないのだが、Kindleのセールで登場し、なおかつレビューも高かったので購入した。
著者が長年リーダーシップ教育に携わった経験と、エクセレントカンパニーや優秀なリーダーの分析を踏まえ、リーダーが「立ち止まる」ことの有用性を、理論というよりはエピソードや事例を中心に説いていく、という本である。
結論は、ハッキリ言ってタイトル以上のものはない。
メンバーに対する無私の精神と言って良いコミットメントは、昨日の中竹氏の著作と同様である。
しかし、「立ち止まる」ということは、どういうことか。
ただでさえ情報やタスクに溢れ、不確実さが増していく現代において、溢れるタスクの進捗管理をするだけの「マネジメント」は、メンバーのストレスを増大させるだけでなく、必要とさせるイノベーションからは遠ざかってしまう。
面白い表現をするなと感じたのは、この「マネジメント」は、前に歩む「後押し」をするものだが、イノベーションとは「ジャンプ」させることなのだと。
当然、「ジャンプ」するためには、「立ち止ま」らなければならないよね、という趣旨だと思う。
もちろん、進捗管理は大事だ。
先日もこんな記事があった。
本記事は、余程優秀な人材でもない限り、進捗管理する人は必要だよね、という要旨だけれど、立ち止まって全体を見ることができる人だからこそ、進捗管理ができる、とも感じる。
目の前のことに振り回されるのは、むしろ簡単で、そういった中にあって、冷静に勇気をもって「本当に大事なことは何か?」を問い、考えられるからこそ、リーダー足りうるのだろう。
結論だけを抽出するすれば、「優れたリーダーでありたいのならば、立ち止まれ」という内容でしかないので、本書は結論を急ぐ向きにはお勧めできない。
しかし、忙殺される日常に課題を感じながら、立ち止まる理由を見つけられずにいられる人にとっては、少し心の支えになるのでは。
まぁ、ご参考ということで。