人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

優秀な経営者はおしなべてハンズオンだが

人材の仕事に長らく取り組んでいて、叩き上げの経営者とも、「プロ経営者」と言われる人たちとも会話をしてきた。

人材紹介の対象だったり、採用側だったり、立場はいろいろだけれど、優秀と言われる人たちは、おしなべてハンズオンだという印象を持っている。

 

深く現場に入っていき、誰が何をどのように行なっているかをよくよく理解した上で、意思決定をする。

人にもオペレーションにも課題にも明るいので、お話を聞いていると、臨場感があって非常に面白い。

 

なるほど、そこまで語れるレベルになってはじめて、組織のビジョンも語れるし、正解も再現性もないビジネスの世界で意思決定ができるのだなと、若き小生は感心したものである。

現場のことを臨場感を持って語れるレベルまで理解するのは、ただでさえパワーを使うし、それなりに短い期間で結果を出そうとすれば、スピードも求められるので、一担当者が習熟するのとは訳が違う。

 

そして、あくまで経営者なのだから、現場を熟知しながらも、あくまで全社的な観点で意思決定しなければならない。

現場を知り過ぎれば、社内の事情に流されやすくなる。

 

そこを踏みとどまって、顧客をはじめとするステークホルダーにとって最良の、あるべき姿に近づく意思決定をする。

これは人間として板挟みになることを自ら進んで行うということであり、ストレスフルで難度の高い行いである。

 

ハンズオンの現場目線と経営者目線という、矛盾する議論の両立。

一言で「タフな仕事」なのだが、そういう仕事をやってきた人たちは、総じて魅力的で、憧れる存在なのである。

 

そういった人たちは、仕事を「うまくやる」テクニックのレベルを通り越して、生き方すら我々に提示してくれると思うのだ。

まぁ、ご参考ということで。