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Kindle日替りセールでお薦めされ、レビューが高かったので購入。
昔見たコーヒーのCMで、著者である外尾氏の存在は知っていたのだが、なんとなくの興味本位で読んでみた。
外尾氏は日本人彫刻家としてただ一人、バルセロナのサグラダファミリアの建築に何十年も携わってきた人物。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%96%E5%B0%BE%E6%82%A6%E9%83%8E
外尾氏が建築に関わるようになった経緯、サグラダファミリアとはなんなのか、それを設計したガウディという人物はどんな人だったのか、建築に携わる中でガウディのどんな意志が汲み取れるのか。
そんな話が、素晴らしい建築や造形物の写真と共に味わえるという、非常に奥深い本である。
建築技法的に興味深い話もあれば、サグラダファミリアのあまり知られていない意匠の解説もあったりして、興味は尽きない。
サグラダファミリアには、建築に携わる職人を象徴する紋章が刻まれているそうなのだが、これはこの教会が、職人の叡智を結集して建てられるという決意表明のようなものらしい。
世に祝福をもたらすという偉大な使命を負い、働き手の創意工夫を引き出し、毎日の積み重ねを生涯かけて取り組み、それが子の代、孫の代へと伝承されていく。
職人として、ひょっとしたら人として、これほど幸せな仕事は存在しないのではないか。
我々の仕事は、この境地から果てしなく遠いところにきてしまったのではあるまいか。
お薦めである。
まぁ、ご参考ということで。