新規事業の検討において、ターゲットとする市場が大きいのか小さいのか、みたいな議論は良くある。
「新規」事業なんだから、ターゲットとする市場なんて存在しないのだ、わかるわけがない、という議論も、良くある。
ターゲットとする市場なんて存在しないのだ、という議論については、本当に無いと思われるケースと、検討が荒くて見えていないだけというケースがあると感じている。
新規事業において、ターゲット市場を明らかにする(明らかになる)流れというのは、経験上はこんな感じだ。
・顧客ニーズが見えているから、やろうとしている事業の提供価値が腹落ちする
・事業の提供価値が見えているから、それに対する(代替品も含めた、真の)競合が理解できる
・競合が見えているから、(競合が待ち構える)ターゲット市場が浮かび上がる
で、浮かび上がった市場が大きいか小さいかが、その時わかる。
もしその浮かび上がった市場が小さかったとしても、確かな顧客ニーズがあれば、持って行きようがある。
逆にターゲット市場から入って、細切れする形で顧客を見定めていっても、確かなニーズを拾っていないと、ニーズが掴めていないために、極めてあやふやな事業案として終わってしまう。
で、ターゲット市場が存在しない、新しいマーケットなのだという冒頭の主張に対して は、代替品も含めた広いターゲットを設定すると、「存在しない」という議論に無理があることがわかる。
およそ大概のプロダクトが、純新規の商品開発のようでいて、なんらかの市場をリプレイスしているのだ。
なので、安直に市場が存在しないということは、慎重に考えられるべき。
何れにしても、新規事業における対象市場の選定は、茫漠と最初に着手するようでいて、その事業の本質的な価値が見極められていないと掴めないという、極めて重要な論点だと思うのだ。
まぁ、ご参考ということで。