人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

買う人、買わない人

新規事業開発には、色々な要点がある。

それだけで一冊の本が書けるのだが(一冊では収まらないかもしれない)、その中でも、潰すべきポイントは、「ニーズの確からしさ」と「組み立ての確からしさ」と「拡がりの確からしさ」だと申し上げている。

 

それぞれのポイントについて、いずれ説明の機会を持てればと思っているが、中でも一番重要なのが、「ニーズの確からしさ」である。

その新しい事業の商品、サービスを、本当に買ってくれるのか、ということだ。

 

当然、リサーチやインタビューを通じて、その確からしさを確認していくのだけれど、単に買ってくれるかどうかだけではなく、どういう人が買う人で、どういう人が買わない人なのか、という点も抑えに行きたい。

「買いますよ」という顧客の声は、嬉しい反面、どこまで積み上げても「本当かなぁ」という疑念は晴らせないが、「絶対に要らない」という声もあると、裏表の論証として、実は強い材料になる。

 

また、買う人と買わない人の境目が見えているということは、正しい意味でポジショニングが見えているということでもあり、競合との差別化ポイントも明らかになる。

正しいポジショニングが見えているという状態は、市場をニーズ別に切り分けられている(=買う人と買わない人に分けられている)ということでもあり、即ち、そのようなニーズを持った顧客がどれくらい存在するかという推定も成り立ち、売上予測も立てやすい。

 

買う人がはっきりしているのだから、どんなマーケティング活動を行うべきかも明らかで、市場導入後の営業活動の立ち上がりも早い(買う人にひたすらアタックすれば良いのだから、営業にとってこんな楽なことはない)。

要するに、買う人と買わない人が見えているという状態は、仮説かもしれないが「市場を見切れた」ということなので、新規事業開発に携わる人は、最短で目指すべき境地とも言える。

 

具体的にどうやってその境地に到達するのか?

「どういう人が買う人で、どういう人が買わない人」という風に考え続ける以外の答えを、残念ながら小生は持ち合わせていない。

 

残念ではあるが、「顧客視点」というのはこういう習慣を通じてでしか、獲得できない、とも思うのだ。

まぁ、ご参考ということで。