知人が推奨しているのをFacebookで読み、自身の思いとマッチするのではないかと拝読。
結論、とても良かったと思う。
講義録のような形式になっていて、時折生徒との質疑応答なんかもあったりするが、定期的に区切りがあり、読みやすい。
かつてのMBAでは、ホンダのアメリカ進出を緻密に計画された戦略として分析した。
これがケースA。
でもそれは間違いであることは広く知られていて、内部の人にインタビューすると、どうも何も考えずに「行き当たりばったり」だったようにしか思えない。
これがケースB。
著者が提示するのはケースC。
確かに「行き当たりばったり」に見えるのだけれども、戦後すぐのタイミングにアメリカに進出しようとビジョンを示したり、現地で苦労しながらも自己判断でトライアンドエラーを繰り返したり、一つの成功にとどまらず、さらなるチャレンジを続けたり。
そういうことは、全ての会社で行われるわけではなく、「行き当たりばったり」にみえても、そういうイノベーティブな風土を作る要素があり、ざっくり言えばそれが「コンテクスト・マネジメント」なのである。
本書では「あれをしろ、これをしろ」というような詳細を語らず、指針レベルに留めてあると思うが、個人的には非常に共感できる主張だと感じた。
小生自身、いろんな会社を経験しているが、それぞれ独自のコンテクストを持っていた。
社風、風土、文化としか言われてこなかったそれだ。
でも、これによって会社の強さが違うのは確かだと思う。
これをマネジメントするのが経営の役割。
明快に語る本書は、是非広く読まれて良い一冊だと思った。
まぁ、ご参考ということで。