著者の本を読んでいて興味を持ったので拝読。
黒化っていうのは、共産化を示す赤ではなく、独裁化する国家のことを表す著者の表現。
現在進行形の国際的な変化を、その原因まで遡って解説してくれる。
地政学の話だから、キーワードは「バランス・オブ・パワー」。
そこから紐解くと、アメリカの歴代政権が民主党だろうが共和党だろうが、その党の原理に関わらず折々の「バランス・オブ・パワー」で動いていることがよくわかる。
政権中枢にリアリストがいれば、党の原理なんか簡単にひっくり返るよね、そりゃ。
裏を返すと、たとえ独裁政権を打倒しようとも、次の政権も「バランス・オブ・パワー」で動いてくるから、実は事態は変わらないのだろう、ということもわかる。
誰かを悪者にして殺害したところで、「バランス・オブ・パワー」の構造が変わらなければ、次の政権も同じことをしてくる。
そうか、それは難しいなぁ。
どこまで行っても、国際社会での選択は「誰と組むか」「誰と仲良くするか」。
今の日本において、その問いに対する答えは明快だと思うんだけどねぇ。
いい本だと思いました。
まぁ、ご参考ということで。