積読在庫消化。
いや、凄い本だわ。
竹中改革を、その直接関係がある金融機関の人間として、はたまた直接影響がない他業界の人間として関わってきた小生としては、衝撃の連続であった。
竹中平蔵という人間が如何に地位を築き、政権中枢に食い込み、自己の思うところを成し遂げたのかが、克明に記されている。
ちょっと、ご本人反論しないの?というレベル。
これはもうNetflixのドラマ「ハウスオブカード」を実地で行く感じ。
ちなみに「ハウスオブカード」のサブタイトルは「野望の階段」であったが、そのサブタイトルをそのまま竹中氏に捧げたい。
本書を読むと、小渕恵三内閣から始まる彼の経済政策が、結局のところ何をもたらしたのかがわかるはず。
そしてその事態を看過、許容した、政治や官僚組織の弱さも明らかになる。
今となってはただ、歯噛みをし、このような事態を繰り返させてはなるまいと誓うばかり。
一方で本書の罪作りな点は、一人の人間が成り上がり、国を動かすところまでに至るピカレスクとして成立していて、グイグイ読ませるところ。
いや、著者は悪くなくて、純粋にその筆力を讃えるべきなのだが。
是非多くの方に読んでいただきたい。
まぁ、ご参考ということで。