近所の古本屋で手に取り購入。
ヘミングウェイは何かの引用でちょっと読んだか読んでないかで、ちゃんと読むのは初めて。
子供の頃に、母親がイマイチだったという感想を述べていた記憶があったからなのか、そもそも文学系は社会人になってから殆ど読まなくなったからなのか。
いつか読もうかなぁ、と思っていた作家の一人であるのは確かで、そこで読みやすそうな短編にパッと出会って買ってしまったという経緯。
そうだね、文学というのは「面白いか面白くないか」では評価できないんだよね。
面白さを追求するのであれば、ミステリーなりハードボイルドなり、いくらでもある(SFはちょっと娯楽だけを追求するものではないと思う)。
で、読み終わってから「あぁしまった」と思い返したのだが、文学は巻末の解説を読んでからの方がいいね。
本書も巻末に訳者による解説があるのだが、それが非常にわかりやすく、作品の読みどころもある程度示している。
また作者の人となりや作品が描かれた背景も示されていると、作品に向き合うときの覚悟というか態度も変わってくるし。
とはいえ、また読み返すだろうか。
戦争の記憶、退廃的な雰囲気、陰のようなものが付きまとう作風が、ちょっとどうかなぁ。
それを超える意味を、本書に見出せるだろうか。
いや、それでもすぐに売ったり捨てたりできない手触りが、この作品の力なんだろうな。
まぁ、ご参考ということで。