Kindle日替りセールで遭遇し、高評価だったので購入。
サッカーの戦術の本を読んだばっかりだったので、まぁ繋がりといえば繋がりかなぁと思って読んでみる。
ウルトラスというのは、世界中に存在するサッカーのサポーター集団で、その過激な主張と行動で知られる存在らしい。
個人的には「フーリガンのこと?」と思いつつ、聞いたことがあるような、ないような、という認識だったのだが、本書ではそのウルトラスの実体を、イギリス人ジャーナリストがともに行動する形で明らかにしていく。
ウルトラスは、ヨーロッパだけではなく中東、アフリカ、アジア、アメリカにも存在していて、それぞれの地域でそれぞれの社会情勢を反映しながら活動している。
著者は、それぞれの地域で彼らにインタビューを敢行し、ともにサッカー観戦しつつその実態を紹介するのだが、まぁヤバい人たちである。
それこそ日本だと、暴走族とか不良グループが無茶苦茶暴れていた時代そのまんまというか。
北欧のウルトラスの人たちは、50対50で殴り合いとかするんですよ。
エジプトでは敵対するウルトラスの衝突で70人の死者が出たこともあるし、インドネシアに至ってはマシェット(山刀)で端から相手を殺しに行くわけで。
サッカーのサポーターの名を借りた暴力集団ですよ、もう。
もはや応援しているチームが勝とうが負けようが、暴力沙汰に発展するのは当たり前。
サッカーチームというのは、地域に根ざした存在であることが世界標準なわけだけれども、それがまた地域の民族、住人たちが結束する拠り所として、民族主義的活動と容易に紐づくわけだ。
Jリーグは地域の活性化なんていう朗らかな期待で地域密着を謳っているのだと思うけれど、本場はそんな甘いものではないのでした。
いやホント、世界は怖いわ〜、という印象でした。
まぁ、ご参考ということで。