なんとなくいつもと違う本が読みたくなり、日替りセールで買っておいた積読在庫を引っ張り出す。
ちょっとした気分転換のつもりだったのだが、思いの外長い本であった。
日本全国の城の研究、それも軍事面での切り口で多面的に語られている本である。
小生の本業(?)である武術と関係があるような、やっぱり無いような。
うん、無かったかな。
日本全国には何万もの城跡があるらしい。
いま全国に観光地として残っているのは平地にある平城なのだが、何万もあるのは山城である。
山城といっても本当に山奥ではなく、標高100メートルとか200メートルとか、そんなところ。
そういう多くの山城には城主は居ない。
そんな感じで知らないことがボコボコ出てくる。
なんでそんなことになっているかというと、本来の城というのは、戦ごとに必要に応じて設けられた戦術拠点というテンポラリーなものだから。
だから何万もあったりするし、山奥過ぎても意味がないし、作っては廃棄されるので城主なんか存在しないし。
そしていま観光地として残っている平城というのは、全国統治が果たされた後、エリアエリアを統括するため政治・交易上必要な場所として作られたものだから平城なのだ。
なーんてこと、聞けばなるほどなのだが、あくまで仮説、推測でしかない。
だってそんな資料は存在しないのだから、わからないものはわからないまま、推測するしかない。
でも、だからこそじっくり考え、試行錯誤しながら答えに近づく面白さがある。
わからないものはわからないままなんだけどね。
読んでなんとなく、亡き師匠のことを思い出す。
わからないままのことだらけである日本の武術の伝承。
その一端に居て、何を考え、どんな創意工夫をし、我々に何を伝えようとしたのか。
もはや推測でしかわからないけれど、色々なことを考えてしまうのだ。
今日は師匠の命日。
ちゃんと成長しているんですかねぇ。
まぁ、ご参考ということで。