生前、師匠に言われたものである。
「時代劇に出てきた『お主、できるな…』というセリフ、昔の武士は見た目で相手の力量がわかる、あの能力がなければ生き残れなかったんだよ」と。
明らかに強そうというマッチョな感じは日本人的な美的感覚からズレるように思うが、武術を極めた人というのは、マッチョとは違う独特な雰囲気を身に纏うようになるものである。
それでいうと、バレエをやっている人も明らかに違うなと思う。
姿勢、筋肉、立ち振る舞いが、パッと目につく。
そこまで到達するのは日々の鍛錬の積み重ねだと思うが、明らかに違うレベルまで持っていくのは、武術と変わらないプロセスだろうと推察する。
娘にバレエをやらせてはいるが、どこまでやるかは本人次第。
武術と共に生きてきた父親からすれば、好きでなければ続けられない世界なのはよくわかるので。
娘の育成に繋がれば、また武術的な興味から、こんな本を読む。
理学療法士の著者による本だが、折角これだけの打ち出し(表紙も含め)をしているんだから、もっと突っ込んだ内容にして欲しかったなという気はする。
巷に溢れる健康本にバレエのエッセンスが少し入っているくらい。
とはいえ、著者のバレエ愛は伝わってくるけどね。
それはそれで美点だけれども。
それはともかく、「明らかに違う」レベルまで、いかに持っていけるか。
日々の鍛錬、習慣、考え方、その全てを磨いていく必要がある。
改めて身が引き締まる思いであった。
まぁ、ご参考ということで。