生まれて初めて画集を買う。
時々美術館に行く。
年に数回というところだけれども。
先日、家族で森美術館を訪れた帰り、ミュージアムショップで販売されていたのがこちら。
その時にパラパラめくって、「これは!」と思ったのだけれど、画集なんて買ったことがないから、躊躇してその時は店を出た。
で、後日Amazonで買い直すという、森美術館さんごめんなさい、である。
作者のことはよく知らない。
巻末の文章はまだちゃんと読んでいないのだが、おそらく夏の風景が多いのだと思う。
さらに想像だが、写真を一度撮って、それをパステル画に起こしているんじゃないかと思う。
自分が写真を撮るからそう思うのだけれど、なんとなくアングルが写真的なのだ。
瞬間的に心が動いた瞬間を切り取った写真のアングルは、じっくり腰を据えて描く絵のアングルとは違うような気がする。
うまく言えないけど。
本自体はA5横を一回り大きくしたくらいなので、大きなものではない。
パラパラめくって風景を眺めていると、五感が刺激される。
夏の日のジリジリと熱い感じ。
空気の肌触り、水の匂い、風景の音。
そんなものを思い出す。
ちゃんと勉強したわけではないので、偉そうなことを言うつもりはないのだが、小生にとって良い作品というのは、視覚だけでなく五感が刺激されるものだと思っている。
そういう意味で、本書はバリバリ刺激してくれて、初めて画集を買うという(どうでもいい)ハードルを越えさせる力があった。
ところで、黒田硫黄という人の漫画に「茄子」という短編集がある。
その中の一作に、「使い道のないお金があったら絵を買いなさい」というような台詞があった。
「なんかかっこいいなぁ」なんて思っていたのだが、ちょっとその影響もあったのだろうか。
そんな、どうでもいいことまで思い出してしまった。
まぁ、ご参考ということで。