Kindle日替りセールで高評価だったもんだから、こんな本を買って読む。
ブルネロ・クチネリというイタリアのアパレルブランドを創業された、その名もブルネロ・クチネリさんによる回顧録的なエッセイである。
昔のイタリア農家の生まれ、お育ちのようで、テレビもないような昔ながらの生活で育ち、読書を通じて先人たちの知恵に学び、仲間たちとの触れ合いを通じてインスピレーションを得る。
そんなアナログな良さを大事にして、イタリアの田舎の村を買い上げ、職人たちの手作りの工程を大事にしながら世界中で高品質なアパレルを展開するという会社になったそうである。
「ふーん、いいんじゃない」とは思うわけです。
戦略的にも優れているだろうし、まぁ人間本来の在り方を追求すること自体はいいよねと。
で、ブルネロ・クチネリのWebサイトを見て、はてと戸惑う。
カシミヤのセーターが15万円するわけです。
「日本が貧乏になっている」なんて言われているが、そういうことではないでしょう。
腐ってもGDP世界三位の国で、はばったいけれどそれなりの生活をしている人間でも、ちょっと買えない値段ということは、世界70億人でみれば金持ちのほんの数%が買うか買わないか、そんな値段。
エルメスとかグッチとか、そんな価格帯な訳です。
うまく言えないんだけど、一部の金持ちに高い商品を売るビジネスで得た収益で、高い給料やステキな村を整備して人間主義なんです、って凄く違和感を感じるのだ。
ユニクロが手放しで素晴らしい会社なのかは別として、いろいろな工夫を経て、5000円のカシミヤのセーターを世界中の人達に広く販売する方が、よっぽど人間主義的なんじゃないかなぁと思うのだが…。
コレって日本の小売ビジネスの創業者にもある思想だと感じるのだが、小生が影響されすぎなんだろうか。
なんか、おかしくないですか?
まぁ、ご参考ということで。