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教えない授業――美術館発、「正解のない問い」に挑む力の育て方
- 作者: 鈴木有紀
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2019/04/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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昨今、山口周氏の著作のヒットもあって、ビジネスパーソンの間でもアートを学ぶことの興味関心がちょっとしたブームになりつつあるかもしれない。
本書は、その美術鑑賞を活用した授業を、主に小学生向けに実践してきた著者による解説本である。
山口周氏の著作に感銘を受けた読者の一人であり、小学生の子を持つ父親として、興味を持った次第。
本書では、その授業の意義や実践方法、実践例、注意点などがわかりやすく説明されており、読者の想定は小学校教員や美術系研究員かと思うが、親が自分の子供に自己責任でやってみることもできそうだ。
本書で提唱しているのは、それなりに著名な絵画を複数名で鑑賞し、感想や気付きを共有しつつ、認識を深めていくワークショップである。
もちろん正解はなく、よく観察し、多様な意見を交わし合うことで、「みる」「きく」「考える」「説明する」という力を総合的に伸ばそう、というもの。
本書で著者自ら述べる通り、まだ実践例が少なく、再現性も低いものなので、学術的に本当に効果があるものなのかは、まだまだ研究途上ということだが、関わった方々は一定の手応えを感じているようだし、小生自身も子育てで課題だと感じているポイントに効くような気がしたので、ちょいとやってみようかと思っている。
今急に思い出したのだが、大学の時の憲法の短期ゼミに参加した時に、これと似たような刺激を受けたような気がする。
意見が別れた憲法裁判の判例をベースに、ゼミの参加者が自由に見解を述べるというものだったが、たしかにあれはいろんな意味で勉強になった。
ご興味のある方はぜひ。
まぁ、ご参考ということで。