人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

信頼の蓄積

長く、新規開拓に近い営業と個人事業に近いコンサルティング的な仕事を続けていた関係で、一つの組織の固定された人間関係の中で協力して仕事をすすめる、という経験が比較的少ないと思っている。

とはいえ、銀行時代とか、内向きの業務のいくつかとか、全く経験がないわけではないのだが。

 

前も述べたことがあるが、仕事仲間との人間関係、踏み込んで信頼関係と言ってしまうが、その構築には時間がかかる。

馬が合う人でも3ヶ月〜半年、普通1年、相手が慎重な人だと2年くらいはかかるんじゃないだろうか。

 

異動の多い職場だと、「やっと仲良くなれたと思ったらもう異動」なんていうことはよくある話で。

新規開拓やコンサルティングみたいな仕事をしていると、「はじめまして」の瞬間から、如何に短期間で信頼関係を構築するかということに心を砕くのだが、関係性は自分一人でどうにかなるわけではないので、ベストを尽くして待つしかない。

 

第一印象に始まる愛嬌とプレゼンテーション、日々の(上)機嫌、仕事に臨む態度、相手への気遣い、そして少し気の利いたアウトプット。

そういう長距離走のような積み重ねを続けながら、「あぁ、この人になら何を相談しても大丈夫そうだ」「この人が言うなら多分そうなのだろう」「この人と一緒に仕事をしたい」という信頼を蓄積していく。

 

その信頼の蓄積が組織を動かし、自分の意を通すベースになる。

それ無しに、いくら正論を吐いたところで通りはしない。

 

程度の差はあれ、どこの国でも組織人というのはそんなもの。

きっと社会人経験が浅い人は「そんな面倒な」と思うだろう。

 

でも信頼の蓄積が組織を動かすというのは、おそらく真実だし、そうやって組織を動かすからこそ大きな仕事ができるとも言える。

そして、組織で信頼を蓄積していくためのアクションというのは、実は簡単なのだ。

 

先に述べた、愛嬌とプレゼンテーションなんて所詮テクニックでしかないし、機嫌や態度だって、日々の心がけとそのベースとなる体力を維持していれば全く問題ない。

強いて言うなら、相手への気遣いは若干のセンスが必要だけれど、能力が求められるのは最後の「少し気の利いたアウトプット」だけ。

 

大した努力もなく、コツコツとした積み重ねで大きなアウトプットが得られるのなら、こんなに簡単なことはないのに、そのことに気付いていない社会人は沢山いるから、スッと抜きん出た存在になれるかもしれない。

まぁ、ご参考ということで。