こんな本を読む。
身近な問題として興味はあったので、Kindle日替わりセールで買っておいたのを引っ張り出してきた。
2000年代初頭に総合職として新卒正社員として仕事・子育てに奮闘してきた女性15名へのデプスインタビューを中心に構成された調査。
トーンとかスタンスに若干言いたいことはあるが、個人的な好みの問題なので傍に置くとして、当の世代の女性たちが、どのような境遇に置かれ、何を考え行動してきたか、普遍的な形で抽出できている本だと思う。
小生より少し後の世代、そして今の20代とも違う世代なのだろうけれども。
色々思うところはあるのだが、インタビューの中で印象に残った話をひとつ。
育休復帰後、結局退職して専業主婦になったインタビュイーの話として、「朝子供を保育園に送る支度をし、急いで会社に行って働き、残業もできないので集中してやり終えて急いで帰宅、子供を迎えて寝るまでのお世話。そんな生活を続けていて、そこまで頑張るほどの仕事なのか、という疑問を感じた」と言うものがあった。
この発言には、夫の収入で生活ができるという前提がある。
また、本書でも指摘があるが、育児中の社員への扱いに困った会社側の「過剰な配慮(=ヒマな、軽い仕事をあてがう)」もあると思う。
でも、小生はこの発言、すごくよくわかる。
仕事に無茶苦茶没頭できるのって、若さ故の好奇心とか、スキル不足による努力とか、仕事が盛り上がっている場面に遭遇する運だとか、そんなことが重ね合わさって起きることだと思う。
歳を取れば色々こなせるようになるし、プライベートも忙しくなるし、体力的にも頑張れなくなるし、何より、面白い仕事の機会もどんどん減っているような気がするし。
面白い仕事も増えず、賃金もそれほど上がらず、であれば、若い人はますます頑張らないだろうし、ね。
バブルの名残を見聞きした時代からは、はるか遠くに来た感じがするのである。
まぁ、ご参考ということで。