コンサルタントとして、新規事業だったり転職の相談を受けたりする仕事に取り組んできた。
相談相手に対してキレのあるプロらしいアドバイスを出来る様にと、ずっと頑張り続けているけれど、良い(と自分では思っている)アドバイスを、必ずしもクライアントが求めているわけではないことも経験として知っている。
相談としては、どこから手をつけて良いかわからないというレベルの人に対しては、インプットとアウトプットの具体的な方法を伝える。
ただしそれは、それほど深い相談ではなく、入り口で迷っている人に対するガイダンスのようなもの。
本格的に踏み出して悩んでいる人はちょっと違う。
既に相当真剣に調べ、考え、悩んでいる人たちである。
今時ネットで検索すれば、いくらでも情報が出ている。
その分野を仕事にしている人間でさえ唸らせられるような内容の本も沢山出ている。
そういうものを目にしても、なお答えが出ない人たち。
そんな人たちに「だったらこうしなさい」というアドバイスは、あまりに安直だと思うのである。
こんな本を読む。
1時間の相談のうち、30分はひたすら話を聞き、どんなステータスでも相手の頑張りを認めてあげる。
その上で、これまでの経緯をテーブルに広げるように棚卸しする。
あとは「私だったらこうするけど、どう?」と投げかける。
まとめるとこんな感じだが、後半は極めて慎重かつ丁寧に(詳しくはご一読あれ)。
みんなアドバイスが欲しいわけではないのだ。
認めてもらい、共感してもらい、別の視点が少し欲しいだけ。
相談を受ける側として、くれぐれも注意したいものである。
まぁ、ご参考ということで。