まずはリンク。
新規事業開発も経営企画も、未来予測が重要。
なので人口問題に関わる書籍は何冊か読んでいるが、本書は初版が新しくレビューも高かったので拝読。
少子化というのは日本だけでなく先進国共通の課題なのだが、シンクタンク勤務の著者が当該テーマについて、主要先進国の取り組みと日本の政策のレビュー、提言をまとめた一冊である。
著者のことは存じ上げなかったのだが、女性として少子化の現実に向き合った視点が織り込まれていて、統計や社会政策一本槍の類書とは違ったテイストを醸している。
大変興味深いと思ったのが、各国で少子化対策への考え方、取り組み方が異なる点。
家族観や人権意識が反映されていて、非常に興味深い。
北欧などは、夫婦に子供2人という基本パターンがあり、そこを目指して出生率2.01を目指す印象なのだが、3人の家も2人の家も1人の家も0人の家もばらけていて良いと考える国もある。
母親が20代に1人、30代で1人出産することを典型とする国もあれば、キャリアや生活基盤の確保で20代は大変なので、30代で2人産むことを目指す方法もある。
残念ながら日本は人口問題については既に手遅れなのだが、それでも尚、まだやり方がありそうな、そんな希望を小生は感じた。
また、本来であれば社会と個人の価値観に関わるはずの、子供を産み育てるという議論が、経済問題に偏って議論されることを著者は問題視しており、それもまた鋭い指摘として受け止めた。
各国の事例が知れる良書だと思う。
まぁ、ご参考ということで。