人間というのは、すぐにセクショナリズムに陥るものだと思っている。
普段一緒に仕事をしている同部門の人間は仲良くなりやすく、理解もできるので、仲間意識を持ちやすい。
そうではない他部署については逆に、対立しやすい心理状況になる。
しかし、仲間意識も敵対心も、所詮バイアスに過ぎない(単純接触効果と言ってよい)。
そのバイアスが、あたかも客観的事実かのように思い込んでしまうと、その組織は、「チーム」としてのシナジーはおろか、足の引っ張り合いだけの、もはや組織をなす意味がない存在になっていく。
しかし、組織を「チーム」として機能させる一義的な責任は、各部門長にあるはず。
部門長は所属部門の利益代表ではあるものの、それ以前に、経営から委託を受けて組織機能の最大化を図る役割と理解している。
であるならば、現場の「バイアス」を拡大再生産するのではなく、「バイアス」を解きほぐし、組織全体が共通目的・共通目標の元にあることを認識させ、融和と理解を進めることこそ、取り組まなければならない。
これは理想論ではない。
社長の立場で考えれば、部門同士が対立している状況は「何を馬鹿なことを」となるはずだから、自明に近い論理だろう。
また、現場の御用聞きで済むのであれば、経験と見識があるはずの人間を、高い給料で管理職として雇う意味がない。
経済合理性からも確かなはず。
自戒の意味も含めて、あえて物申す。
もちろん、現場レベルの、「草の根」の融和と理解の精神が礎なんだけれどもね。
まぁ、ご参考ということで。