人間到る処青山あり

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「フェイクニュース」 読了 〜本書のファクトチェックも欲しい〜

リンクを貼る。

 

フェイクニュース 新しい戦略的戦争兵器 (角川新書)

フェイクニュース 新しい戦略的戦争兵器 (角川新書)

 

 

 

昨今、情報流通を巡るさまざまな話題があり、個人的にもファクトチェックを行うNPOのウェブサイトをフォローしてみたり、というタイミングで出会った本。

Kindle Unlimitedの一冊だったか。

 

著者はカナダ在住の作家(小説家)なのだが、執筆活動をキッカケに各国の情報戦としてのフェイクニュース流通について知り、問題提起として本書を記したというもの。

比較的日本に近しい国の実態を中心に、今まさにどんなことが起きているのか、それに対して日本はどのような対応をすべきか、という内容が展開していく。

 

こういう話なので、当然に「情報戦を仕掛ける某国」が登場せざるを得ないのだが、ぶっちゃけロシアの登場回数が多い。

もちろんアメリカもやっているわけだが、リアルな軍事力で劣っている以上、この分野に注力しているという説明である。

 

その「ロシアの陰謀」による、ご存知トランプ政権疑惑であるとか、ヨーロッパ情勢に与える影響だとかが、数多くの海外メディアを引用しながら紹介されている。

個人的に「へー」だったのは、開発途上国においてFacebookが無料インターネットを広く提供していて、当然バンドルされるFacebookにおいて、当該国の(独裁)政権が情報統制を行なっているという話など。

 

いずれも、それなりの年数で海外情勢をウォッチしていれば、「まぁあり得ない話ではない」とは思うものの、どこまで真剣に受け止め、問題視して行動につながるかは悩ましいところ。

日本においてもフェイクニュースの魔の手は他人事ではないし、本書でも言及はあるのだが、この国は人類未曾有のレベルでの人口減少と高齢化という大ピンチが迫っており、特に資源もないので、フェイクニュースでコントロールしても、誰も得をしないような気がする、なんて考えてみたり(苦笑)。

 

話が脱線したが、上記に限らず、色々なケースが登場するので、陰謀論とは断言できないものの、全面的に正解とも証明できないテーマなので、あまり熱くならずに読むのがよろしい本かと思う。

まぁ、ご参考ということで。