人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

「中東から世界が崩れる」 読了 ~やっぱりわかってないということがわかった~

まずはリンク。

 

Kindleの日替りセールでレコメンドされ、レビューもそこそこ高く、国際情勢も基本ウォッチしているし、中東情勢はそれほど理解していないはずだし、ということで購入。

世界情勢は目まぐるしく変わるので、3年前の本はどうかなと思ったのだが(実際トランプ大統領以前であるし)、目を通しておくかと思った次第。

 

中東研究の専門家が新書でわかりやすく書き下ろしたもので、中東諸国の成り立ちから文化・宗教的背景、今後の展望や日本の果たすべき役割についての提言など、幅広く纏まっている良書。

分量的にもサラッと読める。

 

読後感としては、「やっぱりわかってなかったな」というのが第一印象。

著者の主張では、日本の報道は(中東に対する知識が足りない故に)宗教問題に還元しすぎるが、経済的利害などで動くことが圧倒的に多い、という。

 

また、中東諸国には、「国もどき」が多く(サウジアラビアも含まれる)、歴史的背景からしっかり国の形を成しているのは、イラン、エジプト、トルコだけという分析も驚き。

イランの人々は、ペルシアの流れを組んだ(周辺諸国と一線を分かつ)高い自意識を持ち、メルカトル図法の地図ではわかりにくいが広大な国土を領土を持つ、あたかも中華思想を携えた中国のような国である、という説明は、全く持って理解していなかった。

 

もちろんそれは、著者による解説でしかないが、そういう理解があることすら知らなかったので、なるほどと思うばかり。

それ以上のところと、タイトルに関わる部分は、ぜひ本書をあたっていただきたいが、上記を知ることができただけで、小生としては十分元が取れたと感じている。

 

まぁ、ご参考ということで。