まずはリンク。
巨大システム 失敗の本質: 「組織の壊滅的失敗」を防ぐたった一つの方法
- 作者: クリス・クリアフィールド,アンドラーシュ・ティルシック,櫻井祐子
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2018/11/30
- メディア: 単行本
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オペレーションを考えたり改善したりするのも小生の仕事のうちで、当然オペレーショナルリスクや、広い意味でのシステミックリスクも検討の範疇。
本書はKindle Unlimited対象ということで手に取ったのだが、Kindle Unlimited対象の中では久しぶりの「当たり」。
アメリカの研究者が、タイトル通り巨大システム(原発だったり航空機だったり医療現場だったり)の現場を調査・分析し、有効な解決策を提示するというもの。
比較的新しい本なので、事例には東京電力の原発もさらっと出てくるし、フォルクスワーゲンの排ガス不正の問題も登場し、それだけでも大いに興味深い。
個人的に本書に高い評価をしたいと感じたのは、問題とその解決策のセットが、幾つもの切り口で展開することにある。
この手の洋書は、一つの結論を事例をひきながら延々展開していくものが多く、途中で嫌になることが多いのだが、本書はそんなことはない。
事前のリスク分析だったり、機器のインターフェース、用語の厳密さ、本当の意味での組織多様性、心理的安全性など、幅広く展開し、それぞれの説得力も高い。
サービス設計や改善活動に関わる人、業務管理者など、幅広いビジネスパーソンにオススメしたい。
まぁ、ご参考ということで。