社会人経験ももうすぐまる20年を迎えようとしている。
偉そうなことを言いたいとは思わないし、言えるような立場とも思っていない。
しなくていい苦労はしたような気はするし、エージェントという多くの人のキャリアに関わる特殊な仕事をしてきた自覚はあるけれども。
そういう小生が、それでも若い方々にそれっぽいことを僭越ながら申し上げる時に、必ず問うことがある。
それが、「本気で働いたことはあるか」である。
死ぬほど働いたことは、結構な人があるかもしれない。
しかし、死ぬほど働いたことと、本気で働いたことは違う。
死ぬほど働くのは、「働かされた」状況も含め、外的要因でも起こりうるが、本気で働く経験は、己のモチベーション、すなわち内的要因が整わなければ起こりえない。
死ぬほど働く経験に意味がないとは言わないが、本気で働いた経験に比べれば、大した価値はない。
本気で働いたことがある人間は、強い。
モチベーションが最大の状態を知っているから、自らが何を求めているかを理解しており、迷うことが少ない。
本気になれば、どこまでできるかを知っているから、「頑張りの天井」が高いし、余裕もある。
本気で働いた時の凄さを知っているので、周囲の人の可能性を信じられるし、本気になれるように導く力がある。
死ぬほど働いただけの人間には、そういったことはない。
しあし、そんな風に本気になれることを見つけるのは難しい。
少なくとも出会いの運はあると思う。
目の前の仕事を一生懸命取り組んだら本気になれることもあるが、一生懸命取り組んだのに、どうしても本気になれないことは、ある。
そこは、一生懸命目の前のことをやり切りながら、本気になれる仕事との出会いを、貪欲に求め続けるしかないと思う。
そういう職業人生は、深く考えずにスルスルとこなすより、ずっと不器用で泥臭いものになるだろう。
しかし、そうやって頑張った先には、揺るがない自信と、確固たる実力、仕事を心の底から面白いと思える懐の深さが待っている。
本気で働いた経験を持った人々が、数多く生まれることを願ってやまないし、今の仕事を通じて、その一助になれたらな、と思う次第。
まぁ、ご参考ということで。