連日のブログ更新をご覧いただけている方はご存知かと思うが、ビジネスに関連する書籍をそれなりに集中して読んでいたり、昨日一年ぶりにテレビを見たりして、何となく感じるのが、我々はコミュニケーションを怠けていないか、ということである。
家族・友人・会社、それぞれの場面で、「ちゃんと」コミュニケーションを取っているか、ということ。
ちなみに一年ぶりに見たテレビはこちら。
ハンドボール大国デンマークの育成責任者が、日本の中学校のハンドボール部を指導するというもの。
どうもハンドボールは、全員で攻めて、全員で守り、攻守の切り替えがとても早い競技のようだ。
おそらくチームメンバーの対話が密で、正確でなければ、絶対に勝てないのだろう(そんなの、チームスポーツは全部そうだ、という意見もあるかもしれないが)。
それが理由で、ということなのだと思うが、デンマーク人のコーチは、チーム内の対話を徹底的に要求する(同部の顧問は「熱血指導」の一方通行なコミュニケーションだったようだ)。
番組の中では、ハンドボール部の中学生とその親を招き、お互いのことがよく分かっているか、というゲームのようなワークショップをやってみたりする。
そんなのをわざわざやるくらいだから、当然、親子間でも認識のギャップがかなりある。
昨日紹介した、「失敗の本質」でも、米海軍の司令官が、副官と毎朝二時間、甲板を散歩しながら戦略のすり合わせをした、というエピソードが出てくる。

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組織の戦略をズレなく共有しようとすれば、それくらいの手間がかかるということなのだろう。
テレビの話に戻る。
何とか試行錯誤を経て、チーム内で対話が生まれて来ると、チームメンバーに主体性が出て、「ハンドボールが楽しい」という声が上がり出す。
そう、コミュニケーションは一方通行ではない。
対話の当事者が主体性を持つから成り立つのだ。
主体性を持って取り組む行為は、当然楽しい。
組織を上意下達で動かすためにも、コミュニケーションは威力を発揮するけれど、ボトムアップで活力ある組織を構築するためにも、コミュニケーションを怠ってはならないのだ。
そんなことを感じさせられた次第。
まぁ、ご参考ということで。