積読在庫消化。
これは面白かった。
チンパンジーの研究から人類の発達に転じていった著者による興味深い一冊。
自身の母親としての体験も織り交ぜられ、非常に説得力があるというか、子育てを経験した人にはより刺さる内容。
全体の論調も落ち着いてバランスが取れていて好感が持てる。
新しいテクノロジーが人間の発達に及ぼす影響など、先日読んだ「スマホ廃人」なんかよりもずっと冷静で、だからこそ説得力が感じられる。
それはちょっと脱線。
胎児の頃から始まり、大人になるまで何が起きるのか、今わかっていることを仮説を含めて解説してくれる。
印象に残ったものをいくつか書いておくと、
・人間の子供は極めて未発達な状態で産まれてくるけれど、親を惹きつける周到な機能を持っている(戦略的)
・子育てを通じて親も感覚を発達させていく。
・感情機能を司る前頭葉の発達は30歳近くまで続く
・脳機能の発達は幼児期に細胞数がピークになり、環境に最適化する形で削られていく(刈り込み)
・フィジカルコンタクト超大事
などなど。
この本をネタに師匠と語り合いたかったな、なんて。
「へー」が連発なのだが、一つ一つのトピックはサラッとしているので、もっと詳しく知りたくなってしまった。
いずれにしても、子育て中の人は面白く読めるかも。
まぁ、ご参考ということで。