人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

深く理解しているからこそ

こんな本を読む。

 

著者のことは多くの人がご存知かと思うが、書籍もなかなかの評価。

ということで、Kindle日替りセールに登場したので購入。

 

個別のレシピは載っていない。

「料理学」というほど体系だった理論や情報量というわけでもないが、日本料理の伝統、著者がかつて学んだフランス料理の伝統などを引き合いにしつつ、エッセイのように軽く読めるのだが、深い知識の裏付けを感じさせる本である。

 

エッセイ以上、新書未満というところか。

著者は言う。

 

日本料理、それも家庭料理は、一汁一菜で良いのだと。

ましてや夫婦共働き、単身世帯であれば、頑張る必要もないし、手抜きだと自分を責める必要もない。

 

しかもその「一汁一菜」も、具沢山の味噌汁、漬物であって、プラスご飯なのだから、普通の家庭で実質作るものは味噌汁だけと言って良い。

左にご飯、右に味噌汁、上に漬物のトライアングル、これが正しい和食であり、これで良いのだと。

 

粗食でもなく、手抜きでもない、料理とは、日本料理とは、家庭料理とは何か、ということを深く理解しているからこそ醸し出される説得力。

そういえば、亡き師匠は料理もお好きだったし、料理をたとえに技術を語られることも多かったな、なんていうことを、ふと思い出す。

 

まぁ、ご参考ということで。