昨日と似たようなタイトルなんだが。
昔、あるコモディティ商品のメーカーをクライアントと仕事していた時のこと。
今後どの道に進むべきか、社内で議論していた際、当時の上司が「今の売上100億が500億まで伸びたとしても、幸せにはなれないと思うんだけどなぁ」とポツリ一言。
クライアントは業界のニッチプレイヤーだったが、当時は数十倍規模の老舗メーカーが中国資本に買収されたタイミング。
確かにそうだよなぁ、と感心した覚えがある。
今の延長線上で完璧を目指し、業界でも尖った特別な存在になったとしても、業界自体の構造変化には抗うことができない。
せいぜい、滅びの美学として物語が一つ生まれるくらいかもしれない。
どんな大きな変化が起きるかもしれない今の時代に、今の延長線上で完璧を目指す怖さ。
「まだまだやれる」その思いもわかるし、それもまた真実なのだけれど、その追求でなし得るのは現状をなんとか維持し、衰退を遅らせるところまで。
業界自体が滅びることを止めることはできない。
また、昨日のエントリーに書いた通り、完璧を目指す努力は、多くの人を惹きつけ続けることは難しい。
そこに業界の斜陽が重なれば、若くて優秀な人材から抜けていってしまい、ますます難易度は上がっていく。
どこまで目指すか、どこを目指すか。
経営の一番難しいところだと思うんだよなぁ。
まぁ、ご参考ということで。