ハインリッヒの法則、ご存知でしょうか。
一つの重大事故の裏側には、30の軽微な事故、300のヒヤリハットが潜んでいる、というアレである。
何かのインシデントに激怒していてはダメで、その事故の裏には構造的な問題が潜んでおり、熱くなったり当事者を攻めても始まらないという戒めでもある。
ちょいと話は変わるが、こんな本を読む。
Kindle版の発売日は去年だが、原著は2016年、コロナ前である。
著者は最近テレビに出ているそうだが、見ないのでよく知らない。
コロナ前に書かれた本なので、今の事態に便乗して書かれたわけではないから、安心して手に取る。
で、読んでみるとクラクラしてくる。
鳥インフルエンザ、SARS、MARSなどの近年流行した感染症について、その詳細がわかりやすく記載されているのだが、「感染源はコウモリ」「濃厚接触者」「スーパースプレッダー」「基礎疾患で重篤化」なんていう、コロナ以来散々聞かされた単語がバンバン出てくる。
この本、2016年の本だよね?
これだけ大変な事態になっちゃったけど、感染症を見てきた人からすれば、ここまで大きな影響を予想できたかは別として、大いにあり得る話だったわけね?と。
今まさに起きている事態には、もっと大きな事故に繋がる構造がある。
それがどんな形で現れてくるかはわからないが、予想はできる。
本書の中にも「今後は新型のコロナウイルスの流行に注意」という記述があったりして、軽く目眩である。
なんだかねぇ。
ハインリッヒの法則だなと。
気を引き締めないとな、と。
まぁ、ご参考ということで。