年末に良い本に出会ってしまった。
小生はプロレスファンではないけれど、40代の男性であれば大抵、新日本プロレスの黄金時代(イコール、アントニオ猪木の栄光と言って良いと思うけれど)を知っていると思う。
2000年代の幕開けに小生が熱い思いで観ていた格闘技と、当時のプロレスは交錯し、姿形を変えていったことを記憶している。
新日本プロレスの現在の親会社の方々と少しだけ縁があり、人気復活とその隆盛振りは見聞きしていたので、たまたまKindle日替わりセールで見かけた本書をポチって寝かせていたのである。
いやいや、これは圧巻のドキュメンタリーであった。
プロレスを知っているに越したことはないが、知らなくても心揺さぶられる物語だと思うし、企業の再生物語としても読める。
遠くからプロレスを眺めていた人間にとっては、「あの時にはそんなことがあったのか!」という驚きもある。
偉大なオーナーの専横によって、バラバラ、ボロボロになった会社をどう再生させるか。
旧来のファンに批判されながらも、どうやって新たなファンを開拓し、ビジネスモデルを再定義させるか。
会社の言う通りにしてきただけなのに、行き場を失った自分をどのように受け入れ、会社と向き合いながらも(同じく)再定義していくか。
試行錯誤の果てに、自分らしいスタイルを確立していく二人のスターが絡み合い、そのプロセスで企業が再生し、そしてまた二人は別の道を歩む。
その裏側には、それぞれの圧倒的な努力がある。
こんな映画みたいなストーリーがあったなんて、知らずに損をしていたなと思うくらい感動的である。
この一年、いろいろあったが、また来年も頑張ろうと思わせてくれた。
まぁ、ご参考ということで。