人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

努力は運命を変える

年末に良い本に出会ってしまった。

2011年の棚橋弘至と中邑真輔 (文春文庫)

2011年の棚橋弘至と中邑真輔 (文春文庫)

 

 

小生はプロレスファンではないけれど、40代の男性であれば大抵、新日本プロレスの黄金時代(イコール、アントニオ猪木の栄光と言って良いと思うけれど)を知っていると思う。

2000年代の幕開けに小生が熱い思いで観ていた格闘技と、当時のプロレスは交錯し、姿形を変えていったことを記憶している。

 

新日本プロレスの現在の親会社の方々と少しだけ縁があり、人気復活とその隆盛振りは見聞きしていたので、たまたまKindle日替わりセールで見かけた本書をポチって寝かせていたのである。

いやいや、これは圧巻のドキュメンタリーであった。

 

プロレスを知っているに越したことはないが、知らなくても心揺さぶられる物語だと思うし、企業の再生物語としても読める。

遠くからプロレスを眺めていた人間にとっては、「あの時にはそんなことがあったのか!」という驚きもある。

 

偉大なオーナーの専横によって、バラバラ、ボロボロになった会社をどう再生させるか。

旧来のファンに批判されながらも、どうやって新たなファンを開拓し、ビジネスモデルを再定義させるか。

 

会社の言う通りにしてきただけなのに、行き場を失った自分をどのように受け入れ、会社と向き合いながらも(同じく)再定義していくか。

試行錯誤の果てに、自分らしいスタイルを確立していく二人のスターが絡み合い、そのプロセスで企業が再生し、そしてまた二人は別の道を歩む。

 

その裏側には、それぞれの圧倒的な努力がある。

こんな映画みたいなストーリーがあったなんて、知らずに損をしていたなと思うくらい感動的である。

 

この一年、いろいろあったが、また来年も頑張ろうと思わせてくれた。

まぁ、ご参考ということで。