「インセプション」という映画がある。
非常に有名なのでご覧になった方も多いと思うが、スリルとアクション、映像の美しさもあって、個人的には何度も見てしまう一本。
ターゲットの潜在意識に入り込み、ちょっとした操作をすることで、相手の行動を変えてしまうという特殊技能を持った主人公たちの物語である。
この映画が広く受け入れられるのは、その筋が人間にとっての普遍的な真理を含んでいるからだと思う。
些細なメッセージが気になり、頭から離れずその後の行動を支配してしまう、そんな経験は誰しも持っているのではないか。
新規事業の支援メニューの一つとして、プレゼンテーションのブラッシュアップをすることも多い。
プレゼンテーションの狙いは、聞き手の行動を変えることだ。
聞き手の行動が変わることを期待してメッセージを投げ込むわけだが、本来それはどんな形でもいい。
派手派手しくインパクト重視だったり、あえてタブーに切り込んで相手の心をざわつかせることもできる。
ただ、これは個人的な好みもあるし、その方が効果があるんじゃないかと思ってもいるのだが、小生が取り組むスタイルは、聞き手に忘れられないメッセージを、そっと投げ込むようなスタイルである。
一見何気ない、シンプルでトゲのないメッセージ。
しかしそのメッセージや、そこから想起されるイメージや世界観が想像を呼び、気が付いたらずっとそればかり考えてしまうようなメッセージ。
それが利き手にとってどんなものなのか、常に考え、プレゼンテーションを設計していく。
「インセプション」の主人公たちの取り組みは、まさにそんな感じがして、非常に楽しい。
小生自身も「インセプション」のように、プレゼンテーション、コミュニケーションを実践していきたいと思っている。
まぁ、ご参考ということで。