会社に長くいると、ダメなところが沢山目に付くようになる。
他所の会社の事例を聞くと、なおさらそう思う。
「いやもうだめだ、転職だ!」と思いつつ、やっぱり隣の芝が青く見えているだけでは、と疑ってみたり。
思い切って転職してみたら、それはまた別のダメな点が目についたり、というのは良くある話だと思っている。
小生個人の転職経験でも、この会社は凄い、明らかに良い点がダメな点を上回っている、という会社はあんまりなくて、何処の会社も良い点とダメな点が確かに存在し、かろうじて良い点が多い、という感じである。
また、ダメな点があること自体、やはり良くないのは確かなのだが、ダメなところを温存していても今すぐ死にそうになっていない以上、実は大丈夫だったりする。
その場合の注意点としては、その会社に居続ける人にとっては大きな問題ではない(いや、大問題では無いと判断したから居続けている、という人もいるかもしれない)以上、問題点を指弾したところで、あまり相手にされない可能性がある。
むしろ「お前はわかってない」というリアクションをとられることだってあり得るのだ。
一方で、それら問題点に随時でしか対応していかない場合、長期的に衰退していくリスクは確かに存在する。
「お前はわかっていない」と指摘される可能性を恐れるのか、長期的な衰退リスクに対処するのか、これは非常に難しい問題で、小生自身にも答えは無い。
書いていてなんだか、この国の世代間格差と人口減少の問題を想起してしまった。
過去の蓄積を否定してしまうと、この国の高齢者に風向きが悪くなる一方で、人口減少は止められない、といったような…。
それはともかく、ダメなのはウチの会社だけじゃない、なんていうことを考えたのは、こちらの本を読んだから。
著名なコンサルティング会社が、ITシステム導入にまつわる失敗事例と、その対処策について31項目にわたって解説した本。
どこの会社でもありそうなダメな事例が満載で、思わず「みんなダメなんだなぁ」と間違った安心感が得られてしまう…。
というのはよろしくない感想なのだが、様々な示唆、学びが満載であり、今日からでもすぐに使えそうな良書。
これだけ業務とITが密接に繋がっている昨今、中間管理職以上は担当職務に関わらず全員一読の上、システム導入にあたっての議論に参加すると良いと感じた。
まぁ、ご参考ということで。