今日ニュースをいろいろ見ていて、印象に残ったのはこの記事。 http://mw.nikkei.com/sp/#!/article/DGXMZO05040820Q6A720C1000000/
ソフトバンクのARM社買収に関わる、フィナンシャルタイムズ社の記事である。
この記事で指摘されていたのは、M&Aの規模もさることながら、企業買収によって、自社自身に変化を起こす意志があるのかが問われている、ということだと受け止めた。
わずかだがM&Aに関わった経験からしても、この指摘は重要だと思う。
買った側自身が変化をする意志を持たないと、買われた側を遠隔管理するだけになってしまい、ビジネスモデルや組織が劣化していくのに気付くことができず、シナジーはおろか、現状維持すら難しくなっていく。
逆に思わぬドル箱を手にしてしまい、買った側の野心家がドンドン乗り込み、挙句は食い荒らしてダメになる、というのもあるが、これも変化する意志を持たない別のパターンだと思う。
さて、小生は常々、買う側、採用する側という立場では、中途採用とM&Aは似ていると思っている。
中途採用で外からの人材を受け入れるというのは、実は既存の組織にも何らかの変化をもたらすものだ。
であるからこそ、わざわざ外部の経験者を採用する意味がある筈なのだが、採用がうまくない会社というのは、結構中途採用の人間をプロパーに合わせさせようとする。
転職者は弱いので、何とか合わせようとするが、結局そこには無理があるし、人材を活かしきれないので、定着しなくなってしまう。
で、いろいろなロスが発生するだけでなく、そんな企業はモノカルチャーを頑迷に守るだけなので、結局は時代の流れに取り残されてしまう。
転職を考える人は、そんな事例もあることを踏まえ、過去の中途採用者の活躍ぶりとか、M&Aの成功度合いとかも参照しつつ、話を進めている会社が、変化する意志があるのかどうか、見極めることが大事だと思う。
まぁ、ご参考ということで。