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スタートアップ成功物語の読書シリーズ。
Google、Facebook、ヴァージングループを扱った書籍と比較すると、対象企業も初版も新しい。
立て続けに読んでいると、アメリカのこの手の本はプロトコルが決まっているのか?というくらい似ているような気がする。
取材対象公認で、ベテランジャーナリストがインタビューを積み重ねると、どれもこうなってしまうのか…。
それはともかく、Airbnbの創業者3名がどのようなバックグラウンドで、どんな経緯で起業し、どんな紆余曲折を経て現在に至り、どこを目指しているのか。
これ以上ないというくらい詳しく書いてある。
エピソードから読み取れるのは、創業メンバーは非常に素直な人達だということ。
先達にアドバイスを求め、ユーザーに会いに行き、謙虚に学ぶ。
なかなか出来そうで出来ないことである。
今の同社の存在感を思えば、とても意外に感じるくらい泥臭く歩んできた印象で、好感を持てる。
それにしても、GoogleやFacebookなどに比べて、かなりユーザーを選ぶサービスだと思う。
小生も国内で一度、ゲストとして利用したことがあるのだが、当面使わないと思っている。
顔の見えない相手と取引するというのは、やはり緊張感を伴う。
そして、顔の見えない相手が提供した場所で眠るというのは、武道家としてはちょっと避けたいリスクに感じる。
また、素人(?)であるホストが用意した環境を、どれほど使い倒して良いのか、つまり「金払ってるんだから遠慮なく」なのか「そこはホテルじゃないんだから多少遠慮してね」なのかが判別がつかない。
小生の性格的に、後者に倒さざるを得ないと感じるので、ならば普通にホテルに泊まった方がスッキリすると感じた。
本書にもその辺の記載はあって、いやいやホテルでも事件に巻き込まれる確率は一定以上あるのだ、等々あるのだけれど、個人的にはそれで納得するものでもない。
しかし、考えるべきは、小生のようなネガティブな意見もありながら、それでもなお同社が成長し続けているという事実である。
それは同社が掲げる「世界中を居場所にする」というビジョンが人々を惹きつけるのかもしれないし、経済合理性なのかもしれないし、ホテルにはない魅力的な物件や体験なのかもしれないし、我々とは価値観が異なる世代に刺さっている、ということかもしれない。
事業開発において、非常に示唆に富む存在だと、本書を読んで改めて感じた次第。
まぁ、ご参考ということで。