リンクを貼る。
ご存じない向きに解説しておくと、宿澤広朗という人は、ラグビーの選手としても全日本の監督としても結果を残した人で、小生の古巣である三井住友銀行で頭取候補と目されるまで評価されながら、55歳の若さで亡くなった人物である。
本書は、宿澤氏の銀行員としてのキャリアを主としつつ、ラガーマンとしても、家庭人としても何をなし、いかなる人物であったかを記す評伝である。
本書のサブタイトルは「運を支配した男」となっているが、本書で明らかになるのは、支配するための並外れた努力。
ある意味、サラリーマンとしての完成形が提示されているわけだが、ここまでの努力ができる人が、果たしてどれほどいるものか、自戒を込めて思い知らされる。
かろうじてブラックな時代をくぐり抜けた小生世代は別として、現在の一般的な社会人にとって、どこまで共感を呼べる評伝なのかは心許ないのだが、ここまでやれば評価されるという極北を知ることは無意味であるまい。
また、それだけの情熱を注げるだけの意味が仕事に存在することも、本書を通じて理解してもらえたら、ブラック世代としてはこの上ない喜びだったりもする。
是非じっくり味わってもらいたい1冊である。
まぁ、ご参考ということで。