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成功に奇策はいらない――アパレルビジネス最前線で僕が学んだこと
- 作者: 平山真也
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2019/02/06
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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本書の著者が経営をしていた時代のディッキーズというブランド、日本法人の躍進ぶりは存じ上げていて、著作を出されたのか、おぉなるほどと思って購入した次第。
末席ながらファンド業界にいたことがあり、プロ経営者の方々とも触れ合う中で、本書タイトルは小生も想いを同じにするところであった。
本書では、著者がディッキーズというブランドを経営することになった経緯、どのような志で経営にあたったか、社員や取引先といかに向き合ったか、といったことが熱い筆致で綴られている。
内容そのものは、本書のタイトル通り特別なことはなく、また生々しいエピソードの披瀝はごく一部なので、同業経営者が今日すぐに役立つというより、あくまでも「姿勢」を説いた本と言えよう。
著者の経営に関しては、客観的に成功と言って良いと思うのだが、その裏付けがあるだけに、同業の経営者に対する批判は非常に厳しく見えてしまうので、著者に対する反論も多くあるはず。
しかし、著者の説くところは、小生も大いに共感する。
今の日本のビジネスシーンにおいて、そもそもスタートラインで勝利に対する意欲がない人が多い。
勝つ意志がないのであれば、そもそもリングに立ってはいけないのだが、勝てない言い訳をしながら渋々リングに上がる日本人は多い。
「ここなら勝てる」「絶対に負けられない」「何としてでも勝ちたい」など、テンションの差はともかく、そう願える領域をいかに見つけ、正しい努力をすることこそが経営であり、仕事であると思うのだが。
普段からそのように感じている人にとっては、「やっぱそうだよね」と、自信を深めてくれる一冊だと思う。
まぁ、ご参考ということで。