大企業の新規事業あるあるなんだけど。
例えばフィジビリティスタディで100万円でランディングページ作ってユーザーの反応が見たいです、なんて希望があったりする。
100万円だったら課長決済でいけますよね?って話が、「いや、うちの会社の名前が出るんだったら、ウエに上げなきゃいけないんじゃないか?」みたいな話になり、結局100万円が取締役会に諮られた挙句、「あーでもないこーでもない」で結局「時期尚早」みたいな感じでNGになる、なんてことがある。
起案者からすれば、「決裁権ってなんなんだ!?」という感じで、バカらしくてやっていられなくなる。
ルールがない事態にどう対応するか、という話なので、課長判断で実行してしまうということも当然考えられる。
もし後でお咎めがあったとしても、「お前なぁ…!」くらいだから、そういう課長であるべきだ、ということが言いたいわけではない(そんな課長が居たら面白いけど)。
「ウエに上げよう」という判断そのものが、組織のミドルとしての意思決定なのだから、それは多分正しい。
しかし組織というのは、短期的には何もしないことが最もリスクが低いので、明らかなメリットが無いもの以外は「NG」というように出来ていると思うのだ。
つまり、下から「(絶対に)通す」という意志がなければ、新しい試みの決裁は、構造として通らない。
裏を返せば、「ちょっとよくわからないけど…」「責任持って意見を通すのが怖いなぁ」という本音がある中で、「ウエ」に判断を仰いでしまえば、無責任の連鎖となり、組織の作用として「何もしない」という結論になるのだ。
居酒屋談義では、マネジメントの意思決定を非難する向きは多いし、言っていることに共感はできるけれど、組織を動かすというのは、それも未知の領域に導くのは、安直なパワーでは出来ないのよね、と本当に思う今日この頃。
自戒を込めて。
まぁ、ご参考ということで。