リンクを貼る。
世界の経営学者はいま何を考えているのか――知られざるビジネスの知のフロンティア
- 作者: 入山章栄
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2012/11/13
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 10人 クリック: 92回
- この商品を含むブログ (59件) を見る
それこそ若い頃も今も、経営学に類する書籍のたぐいは人より読んできたほうだと思っている。
意識高い系でしたから、ほんとに。
とはいえ最新状況は追ってないなぁという感覚も有り、タイトルに惹かれて読んだ次第。
読んで愕然、一言で言って、「ヤバい・・・」であった。
何が「ヤバい」のか?
自分の知識も含め、日本で流通している経営学系の議論は、20〜30年前の状況で止まっているのではないか、と感じたからだ。
ドラッカー、ポーター、バーニーあたりがいけないというわけではないし(それは本書にも書いてある)、クリステンセンももちろんいいのだけれど、日本の経営者、ビジネスパーソンにとっての「経営学者」のイメージはその辺止まりではないか?
しかし、世界の経営学会においては、これらの重鎮をベースに、数多の才能豊かな研究者が、20〜30年かけて、「更にその先」のフロンティアを開拓してきているのだ。
本書を読む限り、戦略、組織、意思決定、イノベーション等々、昨今毎日のように話題になっているテーマは、とっくに議論され尽くしていて、ある程度の答えは出ているように感じる(しかも本書は6年前の本なので、実際はもっと先を行っているはず)。
先日読んだ、山口周氏の本でも、「もはや結論は出ている」というトーンで書かれており、「やっぱりそういうことか」と改めて納得した。
もちろん、学問としての経営学はその性質上、理論の実証が難しく「ある程度の答えは出ている」としても、それが本当に正しいかは議論の余地はあるし、それは本書の最終章付近で、経営学の課題と展望という意味合いで言及されている。
しかし、日本社会の長期停滞を嘆く声や、犯人探しの議論はずっと続いているのだが、本書を読んで、思うのだ。
「単に、勉強や努力を怠けていただけ、なのではないか?」と。
こわいこわい、今日も頑張ろう。
まぁ、ご参考ということで。