まずはリンク。
実はDeNA社とは個人的に親しい方も在籍していて、なおかつ上場前からあれやこれやと接点があったので、今更読んだことを告白するのもお恥ずかしい限り。
ネット企業を舞台に5年前に書かれた本なので、風化してしまっている部分も少しあるが・・・。
とはいえ、南場氏が盟友と始めた創業ストーリーは、非常にエキサイティングで、時代を問わない面白さがある。
南場氏については間接的にしか存じ上げないが、本書を読んで、とても魅力的な人物なのだろうと感じたし、他に名前が出てくる関係者の皆さんも、負けず劣らず素敵なエピソードをお持ちである。
ご本人の弁によれば、ありのままを書いたとのことだが、「流石にもうちょっと上手くやれたんじゃないか」というくらいの事件が連続する。
しかし、優秀な人材を集めることには、南場氏は立ち上げ期からこだわり続けていて(人材業界では有名だが)、結果的にそのこだわりが、同社を今も生き延びさせている秘訣だと感じさせられる。
また本書には、ご主人の大病によって仕事との向き合い方を変えざるを得なかったことや、創業期の大恩人が、言うべきことを言えないまま亡くなられてしまう後悔など、生と死、人生と仕事に纏わるエピソードが綴られており、深い奥行きを与えている。
そして、7章、8章の最後半部で、戦略や仕事術、マネジメントやビジョンなどが語られているのだが、ボリュームは薄いものの、非常に本質的な意見が述べられていて、流石だと感じた。
特に、コンサルタントと事業会社の経営は何が違うのかという、彼女だからこそ語れる見解があり、なるほどと感心した。
コンサルタントから事業会社に転じようと考えている、若手のビジネスパーソンは、これだけでも読んでおいて損は無いと思う。
まぁ、ご参考ということで。