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スノーピークというのは、新潟地場のアウトドアブランドのメーカーである。
ハイエンドの商品を国内外に展開している、その筋では有名な企業である。
家業を継いだ社長が躍進させるという意味では、先日のエントリの星野リゾートを彷彿とさせる。
当社を有名にしたのは、社長自身が年間何十本もキャンプする「ヘビーユーザー」であり、カスタマーと共に実際キャンプしながら、声を拾っているところだろう。
本書では、当社が現在の姿になった経緯や理由、物作りをはじめとする経営に対する考え方が、わかりやすく語られていく。
やはり、作り手自身が、作り手以前に一流の「使い手」であるというのは、確かに強いと感じた。
実はこれは、真似できそうでなかなか難しいのではないか。
顧客の声を聞く重要性をわかっていない企業は存在しないと思うが、作り手と使い手が同一になりうるというのは、結構レアケースだと思う。
B2Bのビジネスは多分ほとんどそうだし、B2Cでも、例えば自動車メーカーの社員が、自社の車を買うことはあっても、自分と違うターゲットの車を買うことはないわけで。
難しい理由のもう一つは、作り手になると、作り手の論理が先に立ちやすい、ということだろう。
「作り手以前に使い手」と前述したのはそこである。
好きなことに対して、使い手として絶対の自信がないと、コストとか、販売しやすさとか、作り手の論理に流されやすくなる。
皆、自信があれば、顧客の求めるものを作るのである。
それが徐々に怪しくなってくると、売り手の論理が幅を利かせてくるのではないだろうか。
過去、色々お付き合いした企業でも、「どうも内輪の論理が先行しているな」という場合、大抵びっくりするほど顧客を知らなかったりしたものである。
そんなことを考えさせられた一冊であった。
アウトドアがお好きな方は是非ご一読を。
まぁ、ご参考ということで。