今日は、クライアントのご厚意で、某技術展示会の視察に伺ってきた。
目的の一つである、某社の展示を拝見したのだが、正直腑に落ちない。
その会社は、広い領域で基礎から応用まで研究もしているし、そのアウトプットとしての製品もあって、ある意味さまざまな領域を横断させた、統合的な未来像を示していたのだが、どうにも「そんなの嬉しいかなぁ」という印象。
AppleやGoogleが先を行っている分野まで、自前で解決しようとしているようにも感じられ、表現したいことはわかるものの、顧客不在な感じもするし、技術的にも限界があるよう思った。
その流れで、同業の少し規模感の落ちる会社も拝見した。
そちらの展示は、比較的ありものの技術の組み合わせで、外見的にはインターフェースが大きく、使いやすくなっただけ。
触ってみるまでは「まぁ、画面が大きくなっただけだしなぁ」という先入観があったのだけれど、画面が大きければ表示出来る情報量が増え、利便性が向上するという基本の基本を思い出させてくれ、使い勝手もかなり工夫してあり、日本のメーカーの中では比較的珍しく、ソフトウェアの開発にパワーを割いたのだな、と感じられた製品。
正直、こっちの方がずっとええやん、と思った。
顧客視点という意味では、後のメーカーに軍配が上がるように思うが、しかしここは難しいところで、未来に向けたビジョンを提示できたのはどちらかといえば、間違いなく前者のメーカーだし、イノベーションの種となる研究の厚みもおそらく圧倒的であり、メーカーとして正しい道を歩んでいる。
前者は王道は王道、しかしアイデア倒れにならない工夫。
後者はニッチ戦略はニッチ戦略、しかし地道にな研究活動も重要。
ほんと難しいなと考えさせられた次第。
まぁ、ご参考ということで。