我々は新規事業とその周辺にいて、それらに真剣に取り組む人たちと一緒に仕事をしている。
そういう環境の中で、当たり前のように出てくる言葉の一つが、「トライアンドエラー」である。
「トライアンドエラー」、これ、なんとなく流して使っている言葉だが、すごい意味だと思わないだろうか?
トライしてエラー、すなわち失敗、というだけで言葉として完結している。
「トライ、エラー&サクセス」とは言っていない。
はなから成功なんて期待していないのが、「トライアンドエラー」なのだ。
我々は日頃、「トライアンドエラー」という先に、いや、「先に」というより、「(トライアンドエラーの)その次に」、「サクセス」を期待して「トライアンドエラー」という単語を使ってしまっていないだろうか?
もちろん「サクセス」は期待するけれど、全ての「トライアンドエラー」が成功するとは、もともと思っていないはずだ。
なのに、「トライアンドエラー」あるいは「試行錯誤」という言葉の次に、「でもなんとか成功させるんでしょ?」という前提を、当たり前のように置いてしまっていないだろうか?
成功を必然としないところに、「トライアンドエラー」「試行錯誤」という言葉の、本当の凄さ、イノベーションの本質が潜んでいるのではないだろうか?
自戒を込めて、その言葉の重さを再認識する次第である。
皆さんはどのように思われるだろうか?
まぁ、ご参考ということで。