人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

「こうすれば必ず人は動く」 読了

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人生初カーネギー

どうも怪しげな自己啓発的なジャンルと思って触ってこなかったが、食わず嫌いも良くなかろうということで、セールを機にポチる。

 

「人を動かす」というのが、相手をコントロールするような、支配的なニュアンスを感じてしまうが、そういう類ではない。

どちらかというと、「如何に円滑な人間関係を築くか」という趣旨である。

 

「人を動かす」的な翻訳は、ちょっとミスリードだし、それで敬遠する読者もいるだろうから(小生を含む)、少々勿体ない気がする。

本書は、カーネギー氏の「人間関係術(小生命名)」のエッセンスを伝えるラジオ番組を書き起こした構成になっている。

 

毎週(?)寄せられる相談を、再現ドラマ的な感じで紹介し、どうすれば良いかをレクチャーしていくような流れであり、読みやすい構成である。

で、そのレクチャー内容については、「まぁそりゃそうだよね」というような、極めて真っ当な内容である。

 

ちゃんと相手の話を聞くとか、相手の立場に立つとか、すぐに感情的になってはいけないとか。

人間関係を構築するための、極めてベーシックかつ根本的な内容が繰り返されている。

 

と、個人的には思うのだけれど、人間関係を意識的に構築してこなかった人には、案外「なるほどー」となるのかもしれない。

小生はコミュニケーションや営業に苦手意識があったので、若い頃に心理学や営業指南本の類を読み漁ったけれど、ほとんどの人は特に「引っかからずに」きていると思うので。

 

人間関係で、「どうもおかしい」と感じられる方は、一度読んでみても良いのかもしれない。

巻末に案内のある、「その先」のセミナーまでは要らないと思うけど。

 

まぁ、ご参考ということで。

「新・観光立国論」 読了

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デービッド・アトキンソン 新・観光立国論

デービッド・アトキンソン 新・観光立国論

 

 

インバウンド、観光テーマにおいては、現代日本で随一の論客であろう著者による一冊。

新規事業の領域にいると、当然インバウンドのネタは出てくるし、著者の登場する記事の類は結構読んできたのだが、まとまった書籍を読むのは個人的には初めて。

 

観光ビジネスの世界的な伸びと、その中にあって日本という国が持つポテンシャルを提示しつつ、現状の課題とあるべき姿をロジカルに展開する、「アトキンソン節」である。

著者によると、「観光大国」には、自然、文化、気候、食事の四要件が必要とされており、日本はその全てを兼ね備えていると。

 

問題は、観光産業がこれまで旺盛だった国内需要を前提にしており、外国人向けにマーケティングされていない、フィットしていないということである。

時代の変化を頭では理解しているのに、自分は一切変化しようとせず、都合の良い情報だけ集めて良しとする、これまで散々繰り返されてきた日本の縮図が指摘されており、非常に耳がいたい。

 

新規事業をいろいろ見ているが、これだけ明快に需要が伸びるマーケットというのも他に無いのに、新たなチャレンジに躊躇するというのであれば、一体どうすればいいのか、困り果てるばかりである。

だとしても、とにかく前に進めるしか無いのだが…。

 

インバウンドの新規事業を考えられている方は、最低限読んでおくべき一冊であろう。

統計データは多少古くなったが、ここで提起された問題は、まだ未解決のものも多いし、その問題点を理解して事業を組み立てれば、きっと良いものが作れるのではないだろうか。

 

まぁ、ご参考ということで。

 

 

「物流とロジスティクスの基本」 読了

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この1冊ですべてわかる 物流とロジスティクスの基本

この1冊ですべてわかる 物流とロジスティクスの基本

 

 

購入したのは遥か昔(五年以上?)。

これも物流関係者のお話をお伺いし、ロジスティクスって面白いなぁと思ってポチったまま、積読になっていた一冊。

 

ロジスティクスというのは、もともと軍事用語で、日本語だと兵站というわけだが、要するに前線で戦うことだけばかりを考えて、移動や補給や撤退などなどを考えておかないと、数十年前にボロ負けした何処かの国の軍隊と同じですよ、というのは関係者においては周知の話。

ビジネスを展開する上で、主に製造から流通、販売に至るプロセスを、いかに構築していくか、というのが現代のビジネスにおけるロジスティクスであり、本書はそれをタイトル通り基礎から説明してくれる本。

 

十年近く前の本でもあり、本書で”あるべき姿””展望”として語られたことが、どれくらい実現されているのかは小生もわからない。

とはいえ、この分野の業務に初めて取り組まれる方々や、業界に興味を持った方々などが、初めて読むには意味があり、網羅された知識が記載されているのではないだろうか。

 

個人的には、ロジスティクス業界の方々の最新動向を、ぜひ知りたいと感じた次第である。

まぁ、ご参考ということで。

 

 

「アジャイルサムライ」 読了

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アジャイルサムライ−達人開発者への道−

アジャイルサムライ−達人開発者への道−

 

 

執筆関係者にお世話になった方が居り、お話を聞いて購入した次第。

本書は、アジャイル開発についての指南書というのが、最も簡単な説明だろう。

 

小生は完全なる営業・企画畑なので、プログラム開発とは個人の職務として係わりのない人生を歩んできたのだが、人材の仕事をしていた関係で、アジャイル開発に取り組まれてきた技術系の上級職の方々ともやりとりがあり、一応なんとなくは理解していたつもり。

関係者にお世話になった方が居るのもあったが、”なんとなく”も嫌なので、読んでみた。

 

アジャイル開発は方法論について、その取り組み方、固有の用語の解説、注意点などが、楽しい雰囲気で順序よく展開されていて、プログラミングの”プの字”も知らない小生でも、一応一通りの理解はできた(と思う)。

読んでいて、先日読んだこの本を思い出した。 

完全残業ゼロのIT企業になったら何が起きたか

完全残業ゼロのIT企業になったら何が起きたか

 

 

アジャイル開発には良い点があるのは確かだが、短期間で着実に成果を出すことが求められたり、そういったプロセス自体や、そもそものゴールを、クライアントとしっかり握らなければならず、厳しい要求もある(厳しい要求を前向きにこなすから成果が出るというべきか)。 

残業ゼロは素晴らしいが、同じパフォーマンスを定時で終わらせる厳しさや、それを前提にクライアントとの関係性を握り直すエピソードが、アジャイル開発とよく似ていると感じたのだ。

 

アジャイル開発にしても、残業ゼロにしても、掛け声だけで何かを解決してくれる、万能の杖など存在しない、ということが良くわかる。

どんな打ち手であっても、それは皆が嫌いな現状変更を伴うものであり、何の為にという目的と、遂行のための努力がなければ、ただのポーズで終わるのだ、ということを本書は(本書も)教えてくれる。

 

しかし、本書の”サムライ”というのは、アメリカ側の編集者が付けたタイトルだそうである。

本書のサイドストーリー(?)にも、アジャイル開発をマスターしようとする弟子と師匠が登場するのだが、欧米人というのは何かを極めようとする弟子と、それを”凄そうな言葉”で導く師匠(マスター)が登場するプロットが好きなのかな、と余談ながら思った。

 

小生は武道の方で、本当の師弟関係があるから、ある種、生活の中で当たり前になってしまっているのだけれど、あんな風に明確に上下関係がある”師弟”というのは、アジア圏以外では珍しいかもしれないね、と。

”凄そうな言葉”を折々に発していれば、マスターっぽく欧米人ウケするのかな、なんて考えてみたり(笑)。

 

まぁ、ご参考ということで。

 

 

「知ってはいけない 隠された日本支配の構造」 読了

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知ってはいけない 隠された日本支配の構造 (講談社現代新書)

知ってはいけない 隠された日本支配の構造 (講談社現代新書)

 

 

ハイペースで読書が進んでいて、メモを書く手が追いつかない。

それはともかく。

 

講談社電子書籍のセールで、レビューが高かったので思わず手にした一冊。

タイトルからして、陰謀論系の”怪しい”一冊かと思ったが、レビューを読むに、そんなに怪しげな感じでもないので読んでみた。

 

内容は、あまり表に出ない日本と米軍(基地)の”取り決め”を解説し、その問題点を明らかにしつつ、改善の提言を示す、というもの。

読んでいて正直、「え!そうだったの?!」ということがどんどん明らかにされていて、後で著者や著作についてググってみたものの、反論も批判もどこにもされていないので、どうも本当のようでもある。

 

例えばだが、米軍は日本の領空のどこを飛んでも良いし、どこに基地を置いても良い、とか。

簡単に言うと、(米国政府高官も驚くくらい)米軍支配下日本国政府アメリカ政府ではなく、日本国政府対米軍の構造)の運用が続いている、という事である。

 

太平洋戦争の敗北があり、そこからの駐留に続き、朝鮮戦争が勃発したことによって、日本国の前線基地としての実運用体制が継続してしまっている状態、という風に理解した。

トランプ×金正恩会談で再び脚光を浴びたが、朝鮮戦争はまだ終わっていないので、その米軍前線基地である日本も戦時下の運用にある、ということなのか。

 

異常に長い停戦状態と、劇的な経済繁栄が、問題を見えなくしているということなのだろう。

そこに重ねて、問題をうやむやにし続けて弥縫策という悪手を重ねたところか。

 

では、どうすれば良いのか、と言っても、どこから手をつければ良いのかわからない話でもあり、極めて悩ましい。

少なくとも、本書について多くの人に読んでいただき、少しでも考えていただくしかないのかな、という風に感じる次第。

 

まぁ、ご参考ということで。

 

 

問題はアイデアなのか?

モノの本や、

アイデアのつくり方

アイデアのつくり方

 

色々な研究によると、

Steven Johnson: Where good ideas come from | TED Talk

新しいアイデアを生み出すためには、一定量を超えるインプットと、少しの時間、そして刺激(移動や交流)が必要ということになっている。

 

多分それは本当で、小生が毎日10,000歩以上歩くのを止めないのは、歩いている時に色々なことを思いつくから、という事情もある。

しかし、である。

 

特に新規事業に関わっていると、面白いアイデアは物事の「起点」にはなるものの、新規事業が立ち上がってから先のストーリーは遥かに長く、全体に占める重要度は大きくないのでは、といつも感じる。

小生の感覚値でしかないが、全体の構想まで含めた、「広義のアイデア」が1割、収益モデルを含めたビジネスプランまで仕上げる作業が1割、社内調整が2〜3割で、立ち上がるところでまだ半分の手前。

 

残りの半分は事業を立ち上げてからの試行錯誤だ。

黒字化までをプロセスの全体だと仮定すると、黒字化に時間やパワーがかかれば、試行錯誤のウェイトがどんどん大きくなり、相対的にアイデアのシェアは、ますます小さくなっていく。

 

全体を構想フェーズと実行フェーズに分けたとすれば、黒字化までスムーズに進んだとしても、構想フェーズ(アイデア+ビジネスプラン)が2割、実行フェーズ(社内調整+事業実施)が8割という感じだ。

ここで明快なのは、”凄いアイデア”を求めすぎても効果は薄い、ということ。

 

もちろん、”ダメなアイデア”を無理に拾う必要はないが、「うーん、なんとも・・・」という程度だったら、実行フェーズに移しても良いと思う。

勝負は、8割を占める実行フェーズなのだから。

 

なので、企業の中で新規事業を構築するにおいては、凄いアイデアを選別するところにパワーを割くのではなく、それなりのアイデアを数多く実行に移せる体制を構築することが、本当は大事なのだと思う。

しかし、数多くのアイデアを実行に移すのは大変だ。

 

それはもちろんわかっている。

社内のリソース配分の問題もあるし、多産多死の結果になるから、その事実に耐えられるのか、という問題もある。

 

だから、荒削りでもいいし、楽しく進めていかないと辛くなってしまう。

ある種の”お祭り””文化”にしていくことが、とても大事だと思うのだ。

 

まぁ、ご参考ということで。

 

 

 

「『数字』が読めると本当に儲かるんですか?」 読了

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「数字」が読めると本当に儲かるんですか?

「数字」が読めると本当に儲かるんですか?

 

 

Amazonのセール案内と高レビューに釣られてポチった一冊。

小生は小心者なので、ファイナンスや転職関連の話はプロであるはずなのだが、「偉そうな顔をして実はわかってなかったらどうしよう…」と不安になり、この手の初心者向け書籍も、いつも買って読んでしまう。

 

本書はどうも実話がベースのようだが、ネットショップの花屋さんが、経営不振の状態から、限界利益率とキャッシュフローを学んで復活するストーリーを交えながら、簡易にファイナンスがわかるように仕立ててある本。

と、解説されて、「???」となった方にこそ、是非読んでいただきたい。

 

限界利益率というのは、原価と変動費を除いた利益が売上の何パーセントなのか、というのが無茶苦茶簡単な解説なのだが、これが大体25%を切ると、どんな業種でも厳しいことが多い、という解説があり、小生もそれは「へー!」であった。

一応言い訳すると、銀行でもノンバンクでもファンドでも、限界利益率を業種横並びで見るということは、現場ではあまりしないし、今回の事例のようなカツカツのところにはファイナンスしないので、「へー!」なのであった(在籍していたのが再生ファンドであれば、ちょっと違ったと思う)。

 

他にも、価格を上げると利益率にどのように影響するのか、それがレバレッジとして反映される様をわかりやすく解説しており、これまた「使える」知識なのである。

こういう出会いもあるので、初心者向け書籍はやめられない(読んでいてストレスがたまらないし)。

 

それにしても、企業経営というのは、最終的にはファイナンシャルな理屈に支配されるものだと思っているのだが、知らずに経営している人が本当に多いことに、いつも驚かされる。

金が全てだと言いたいわけでは勿論無いが、どうやったら「勝ち」なのかを知らずに野球をする人間もいないと思うのだ。

 

ルールを知らずにひたすら一塁への送球練習を繰り返す、みたいな取り組みは、「勝ち」に繋がらないとは言わないが、かなり遠いにも関わらず、そういう会社は多いように感じている(そういう個人が多いのかもしれない)。

たかが本一冊読む、先週金曜のエントリーと同じで、それくらいの努力はしても良いはずなのだが。

 

まぁ、ご参考ということで。