人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

取り返しのつかないことはある

積読在庫消化ではあるけれども。

 

金子勇氏は直接の面識は無いのだけれど、周辺の関係者の方々とお仕事をご一緒した事があり、お亡くなりになった際もかなりショックを受けた。

無罪を獲得し、さぁこれからという時の早逝は、非常にやるせなかったのである。

 

本書は、金子勇氏の裁判を闘った主任弁護士による回顧録

金子氏との気のおけない関係を反映していて、とても楽しげな雰囲気もあったりして、気楽に読める。

 

一方で、ここは日本の刑事司法、なかなかに理不尽なのであるが、その理不尽さに対する怒りもにじみ出ていたりして、最終的に無罪になるのはわかっていても、ハラハラする。

そんな感じで、あっという間に読了。

 

金子氏がお亡くなりになったときも激しくそう思ったけれど、日本の社会は取り返しのつかないことをしてしまったんだよね。

それをどう受け止めるのか。

 

この事件を知り、今を生きる我々に突きつけられた課題だと思っている。

ちなみに刑事裁判のドキュメントという意味では、こっちのほうが面白いよ。

 

まぁ、ご参考ということで。