人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

人と、言葉と、社会と

なんとなく以前から台湾に行ってみたいなと思っていたこともあり、こんな本を読む。

 

著者は台湾のメディアに数多くのエッセイなどを寄稿してきたライター。

何十年という関わりの中で、彼の国の来し方、行く末を、歴史、民族、社会といった感じで多面的に綴っている。

 

最終章に台湾を一周した旅の模様があり、行ってみたくなるのだけれども、基本的には真面目な本。

学術レベルではないけれど、気軽なエッセイほど「お気楽」な感じでもないし、やや長めでもある。

 

小生といえば、ここ10年くらいの間に、仕事関連でアジアの都市を何ヶ所か訪れてきた。

読んでいてその時のことをなんとなく思い出す。

 

上海に行った時、最先端の街並みと、裏通りの昔ながらの「中国」を同時に目にして、そこを歩く人々は、21世紀のグローバリゼーションの人なのか、共産党文化の人なのか、どちらの人なのだろうと不思議に思った。

香港では、現地の人は上海で見たのと同じ中国人なんだけれども、ジャッキー・チェンやサミュエル・ホイ映画で親しんだ、あの香港人なんだよね、と勝手に親近感を抱いていた。

 

シンガポールの現地ガイドは中国系の人だったが、言葉こそ中国語を扱いはすれども、完全にアジア人というか、自由で流動的で雑多な雰囲気を纏う人だったと記憶している。

台湾の人は、見た目は中国の人なんだろうけれども、いったいどんな人たちなのだろう。

 

ますます行ってみたくなったのである。

まぁ、ご参考ということで。