人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

科学的であり社会的でもある

こんな本を読む。

 

なんか普通に面白かったなぁと。

Kindle日替りセール&高評価といういつもの衝動買いパターン。

 

遺伝情報の解析から人類学を紐解く研究を一般向けに解説している。

一般向けと言いつつ、途中出てくる遺伝系列のパターンの説明などは結構難解だったので読み流してしまったが、大筋の理解に問題はない。

 

個人的に知らなかったのは、ダーウィンの「自然選択説」は現在では通説ではないということ。

最適なものが生き残っているわけではなく、(最適なものもいるけれど)大多数は偶然生き残っただけ、ということらしい。

 

遺伝情報を大量に解析していくと、そういうことがわかる。

もう一つの驚きは、本書の大意でもあると思うのだが、生物学的な形質と人間独特の社会性によって現在の遺伝的多様性が成立しているということ。

 

母系遺伝であるミトコンドリアDNAと、父系遺伝であるY染色体情報の解析から、「男女差」を見出すところから始まる。

女性が比較的均質なのに対し、男性にバラつきが多いところから、父系社会の歴史により、男性は土地に紐付くが、女性は嫁入りによって比較的移動が多かったからではないか、という仮説が導き出される。

 

近年の技術革新により、遺伝情報の解析が進み、対象をさらに世界規模に広げていくと、東アジアの男性の中に、一定数有意に多い遺伝情報があり、その年代を照らし合わせると、それはチンギスハーン(とその周辺の部族)のものではないか、という論文があり、本書のサブタイトルはそこから来ている。

なんともロマンチックである。

 

ひょっとしたら自分にもあの「蒼き狼井上靖)」のDNAが!と思うとワクワクする。

まぁ、1000分のいくつという出現率だから関係ないと思うけど(笑)。

 

それにしても、生物としてある種の法則に支配されているように見えて、自らの選択で作り出してきた歴史にも支配されているなんて、いかにも人間らしいなぁと思うのであった。

まぁ、ご参考ということで。